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研究内容Research

医用画像処理と診断支援システム

画像辞書を利用する臓器統計モデル構築(2008-)

臓器の統計モデルを構築するには学習用に用意した複数の臓器データの間に対応点を生成する必要があります。 従来の多くの手法は、この対応点を幾何に基づいて構築しました。 一方本研究では、画像のアピアランスに基づいて辞書を構築します。 すなわち、臓器表面の画像群に基づいて辞書を構築し、 その辞書による画像復元結果に基づいて対応点を生成します。

<参考文献>
松野高道,浅井健史,岩田卓哉,本谷秀堅, "医用画像中の臓器レジストレーションのための画像辞書生成", CVIM研究会 第172回 172-21(2010-5) (pdf)



モデルと画像の確度情報も付与する非剛体レジストレーション(2008-)

医用画像処理により臓器抽出を行う際には、臓器モデルと画像とのレジストレーション(位置合わせ)を必要とします。 このレジストレーションの精度は、画像のコントラストや臓器形状の多様性などに依存して変化します。 そしてレジストレーションの精度を自己推定することは、診断支援において重要なことです。 本研究ではレジストレーションされた臓器表面の周辺事後分布を推定できる手法を提案します。 この周辺事後分布の分散はレジストレーションの確度の逆数とみなすことができます。

<参考文献>
渡辺 航, 本谷 秀堅, 武田 徹, 渡邉 順久, "特徴点確率モデルに基づく曲面のレジストレーション", 第28回日本医用画像工学会大会予稿集(CD-ROM), OP4-01, 2009. (日本医用画像工学会大会奨励賞受賞) (pdf)
H. Hontani, W. Watanabe, "Point-Based Non-Rigid Surface Registration with Accuracy Estimation", The Twenty-Third IEEE Conference on Conputer Vision and Pattern Recognition, June 2010. (pdf)


PET画像の動態解析(2008-)

脳内の特定の神経受容体と結合する物質はリガンドと呼ばれます。 リガンドは血中・脳・受容体の間で移動し、その移動速度の解析は脳機能や新薬開発に重要です。 そこでリガンドを放射性同位元素で標識した上で患者に投与し、脳内のリガンドの分布の時間変化をPET画像で計測することにより、 上記移動速度を推定することがおこなわれています。 この推定処理に際して問題となるのは、PET画像中の計測雑音です。 本研究ではリガンドの移動に関するコンパートメントモデルに基づいてPET画像の雑音除去をおこなう手法を開発します。

<参考文献>
H. Hontani, N. Hoshino, M. Naganawa, K. Sakaguchi, M. Sakata, K. Ishiwata, Y. Kimura, "Unbiased Logan graphical analysis using the renormalization method," 2009 BrainPET poster session (Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism, Vol. 29, pp. S316-317).


医用画像処理による病変部位の統計モデルの自動構築(2007-)

多数のX-CT画像より臓器と病変部位を自動抽出することにより、 体のどの部位にどのような病変が生じやすいのかをあらわす統計モデルを構築します。 同様の手続きを手作業でおこなうことは、時間や経済の観点から現実的には極めて困難です。 手始めに、大動脈とその石灰化領域を自動抽出することにより、大動脈の石灰化のしやすさに関する統計モデルを自動構築します。

<参考文献>
H. Shinozaki, H. Hontani, Tohru Takeda, and Yorihisa Watanabe, "Automatic construction of a statistic model of calcified aorta areas," International Forum on Medical Imaging in Asia, MI-2008-112, p.1-5 (2008) (pdf)


確率伝搬法にもとづく移動ノードの逐次位置推定(2007-)

環境に固定配置された多数のノードとの距離を計測しつつ移動するノードの位置推定法を提案します。 提案法は確率伝搬法を利用しており、単に移動ノードの位置が推定できるだけではなく、 環境に配置されている固定センサノードの位置の推定精度も次第に向上していきます。

<参考文献>
Y. Toshimitsu and H. Hontani, "Successive Localization of Mobile Sensor Nodes Using Non-Parametric Belief Propagation," SICE Annual Conference, 3386-3391 (2008) (pdf)


腫瘍候補中の偽陽性除去のための識別器の汎化誤差の解析(2006-)

癌診断支援システムは腫瘍の見落とし率を極力低く抑える必要があります。 ただし、その反動で偽陽性の含有率が高くなっては実用に耐えません。 このため真の腫瘍と偽陽性とを識別する識別器が必要になります。 ここで問題となるのは、識別器の学習用のデータです。 偽陽性と比べると、真の腫瘍のデータを多数集めることは容易ではありません。 このことが識別器の汎化誤差にどのような影響を与えるのか、学習データの変動に対する識別器の安定性を手がかりに解析します。

<参考文献>
H. Hontani and Y. Sawada, "Stability Evaluation of a Classifier for Detecting Abdominal Tumors in FDG-PET/CT Images," 19th International Conference on Pattern Recognition, pp.1-4 (2008) (pdf)
澤田好秀・本谷秀堅・呉勁・武田徹・渡邉順久, "PET/CT画像より抽出した腫瘍候補からの偽陽性除去について," 第27回日本医用画像工学会大会 (2008) (日本医用画像工学会大会奨励賞受賞) (pdf)


マルチモーダル情報処理

PET/CT画像処理に基づく診断支援システム(2005-)

PET/CT画像より腫瘍候補領域を自動的に抽出し、その抽出確度の順に並べ替えた上で、 腫瘍候補の存在する部位と腫瘍の活性度ならびに体積を医師に提示するシステムを構築しています。 部位同定のための臓器抽出処理や腫瘍候補の自動抽出処理は、すべて自動化されており、人手を必要としません。

<参考文献>
新田修平・本田清士・糟谷友美・本谷秀堅・呉勁・武田徹・渡邉順久, "PET/CT画像からの腫瘍候補領域自動抽出による診断支援システム," MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY, Vol.24, No.3, 181-190 (2006) Crystalline Flow (2004-)



高次処理のための画像表現・形状表現

画像の局所パターンのパラメトリックな表現(2009-)

画像特徴の解析には、微係数を求める場合も含めて、通常はフィルタと画像との内積計算が利用されています。 この結果、得られる特徴量の分解能は基本的に用意しておくフィルタの総数に依存するようになります。 本研究では信号処理の分野で開発された荷重積分法を画像解析に応用し、 局所パターンの特徴を内積とは本質的に異なる手法で求める手法を開発します。 このことにより高い分解能と汎用性を有する初期処理を実現します。

<参考文献>
小河雅司,本谷秀堅, "荷重積分法に基づく局所パターンのパラメトリックな記述", CVIM研究会 第172回 172-19(2010-5) (pdf)



過去の研究

顔画像処理に適した特徴点の最良配置(2008-)

画像による顔の追跡や姿勢推定には、顔画像より抽出する特徴点が利用されることが多いです。 SIFT特徴量や目・鼻・口角のような部位が特徴として利用されています。 ところで、顔のどの位置に特徴点を配置すれば、顔の追跡精度や姿勢推定精度は最良になるでしょうか。 特徴点の数を制限した場合の最適配置は未解決の問題のひとつです。 本研究ではCGを用いて学習データを生成し、特徴抽出演算子とその抽出精度を学習するとともに、姿勢推定誤差を最小化する点配置を求めます。

<参考文献>
大眉宏彰,坂上文彦,本谷秀堅,安川展之,宮野博義,石山塁, "局所画像の対称性と分布のエントロピーに基づく顔表面への特徴点候補の生成", 第12回 画像の認識・理解シンポジウム,pp. 784-791,松江,2009年7月. (pdf)


センサネットワークの自動較正と計測グラフ(2005-)

センサネットワークにおいては、多数のセンサノードが分散配置されます。 配置した直後は問題ありませんが、センサはそのうち故障したり、特性が経年変化したりします。 しかし、分散配置された多数のセンサを人手で定期的に検査してまわるのは事実上不可能です。 そこで計測データに基づいてセンサノードを自動較正する枠組みについて研究しています。 そして、較正の精度とセンサネットワークのトポロジとの関係を明らかにしていきます。

<参考文献>
伊藤健一・本谷秀堅, "センサネットワークにおける校正精度と計測グラフ," 第23回センシングフォーラム, 103-108 (2006) (第23回センシングフォーラム研究・技術奨励賞(計測部門研究・技術奨励賞))
H. Hontani, "Calibration Performance of Networked Sensors with Relating to the Structure of Redundant Measurements Graphs," 3rd International Conference on Networked Sensing Systems, 158-163 (2006)


車載センサネットワークの持つ可能性(2005-)

走行中の車両の位置計測にはGPSが広く利用されています。 しかし、都心部を含めGPSの利用できない場所が多数存在します。 この研究では前後の車両までの距離を適宜計測し、 計測データを車車間通信により共有することによる車両の位置推定法を提案します。 全車両の計測データを収集する中央のサーバを必要としない分散カルマンフィルタの枠組みを採用し、 位置推定の誤差分布を解析します。 また、走行中のエンジンのトルクと走行速度を車両間で共有することにより路面の摩擦係数を推定する枠組みを提案します。

<参考文献>
樋口裕也・本谷秀堅, "車載センサネットワークを用いた路面の転がり摩擦係数の推定とその計測グラフによる推定精度解析, " 第23回センシングフォーラム 109-113 (2006) 第23回センシングフォーラム研究・技術奨励賞(計測部門研究・技術奨励賞) (pdf)
H. Hontani and Y. Higuchi, "Improvement of Vehicle Positioning Using Car-to-Car Communications in Consideration of Communication Delay," IEICE Tans. Communications, Vol. E91-B, p.3461-3468 (2008)


Crystalline Flow (2004-)

曲線の多重解像度解析にはCurvature Flowと呼ばれる操作が広く利用されます。 この操作は熱拡散とも深い関係を持っており、ひとたびその操作を加えると多角形のような 微分できない点を持っていた図形も解析的な曲線になります。 本研究ではCurvature Flowを本質的に離散化して得られるCrystalline Flowについて考え、形状解析に応用します。

<参考文献>
M. Giga, Y. Giga, and H. Hontani, "Self-similar expanding solutions in a sector for a crystalline flow," SIAM Journal on Mathematical Analysis, Vol.37, No.4, 228-233 (2005)



Tag-based Vision (2004-)

現存するビジョンシステムの多くは、顔や文字、自動車など処理する対象を限定しています。 限定せざるを得ない理由のひとつとして、ビジョンシステムが対象に適したモデルを必要とすることを挙げることができます。 本研究では、対象に添付したIDタグによりカメラの前の対象をまず同定し、 その対象のモデルをネットワーク経由でダウンロードするシステムを構築します。 このことにより多様な対象を頑健に扱うシステムを実現します。

<参考文献>
H. Hontani, "A visual tracking system using an RFID tag," Proc. Electronic Imaging, Internet Imaging VI, San Jose, 165-174 (2005)
H. Hontani, S. Sato, H. Kawamura and S. Ando, "Tag-based measurement and Calibration ?Another Coorperative Frameworks based on Sensor-Object Display," Trans. of Society of Instrument and Control Engineers, Vol.E-S-1, 27-32 (2006)

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